金庫番は誉め言葉!?
こんにちは、東船橋の税理士 深谷悠です。
会社や個人事業主様の会計(帳簿をつけること)、経理(書類整理や出納処理)の責任者は「金庫番」と呼ばれることがあります。
ちょっと古めかしい感じがするこの言葉、日常生活でそうそう見聞きすることはない方がほとんどではないでしょうか。
ところが、我々のような、言ってみれば会計税務のスーパーバイザー的なお仕事をしていると
割と頻繁にこの言葉を見たり聞いたりということがあります。
どんな時に使われるかというと、
「うちの金庫番の○○さんに聞いてみますね。」
「次期金庫番には誰が適任か、、、今の悩みはそこです」
「先生は言ってみれば当社の金庫番ですから」
といった具合です。
そもそも、「金庫番」という言葉自体は言ってみれば役職を表現する意味しかないわけです。ただし、実際にはそこに含まれる「非常に重い責任を負っている人」あるいは「非常に大きな権限を持っている人」というニュアンスの方が大事なのはわかっていただけると思います。
お金にまつわる事故や事件が話題になるときにも「まさかあの○○さんが、、、」という驚きの声と、「○○さんが実質的な金庫番でした」といった証言などが出てきて、その○○さんの持っていた責任と権限の大きさがうかがい知れます。
そして、金庫番の「責任と権限」は絶大なる「信頼」の下に付与されるわけです。なぜなら会社の経営や従業員生活を左右する大事な大事な「お金」にまつわる「権限と席責任」なのですからそこでの信頼が中途半端なわけがありません。私は、「金庫番」という言葉を見聞きする際に、この「大きな信頼」が読み取れるとちょっと嬉しく感じます。
仕事を従業員に任せる場合、「責任と権限」を与えて行ってもらうというケースがあります。「責任と権限」を「信頼して」与えるのか、それとも「疑いつつ」与えるのか、そこには経営者や上司としての基本的なスタンスが現れるような気がします。もちろん、管理者として最低限の「リスクヘッジ」は必要かもしれませんが、やはり「信頼」しなければ仕事を与えることはできません。
個人的な「思い」かもしれませんが、スタッフを信頼して仕事をすることで結果として事業が拡大したり、お客様に提供できるサービスが増えたり、喜んでいただく機会が増える、、、そんな事務所に是非していきたいと考えております。
ここ数日、某仮想通貨の不正アクセスそして流出などのニュースが世間を騒がせておりますが、そこではさすが「金庫番」という言葉は聞こえてこないようですが、もしこの言葉が出てきた際にはしっかりとそのニュアンスを読み取ってみたいと考えてます。